2021.09.27

8割のお客様から導入事例の取材OK!効率的に導入事例を制作する方法

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8割のお客様から導入事例の取材OK!効率的に導入事例を制作する方法

導入事例は「コンテンツの王様」です。BtoBバイヤーのお客様は、自社の課題解決のための情報収集しています。自社の課題を解決した実例=導入事例に興味・関心があります。

導入事例でもっとも大事な要素は「選定ポイントと購入の決め手」です。お客様のニーズや業種で、30以上の導入事例を作ると、コンバージョン率が高まるという調査結果をWACULさんが公開しています。

この記事では、導入事例の取材先の選定から導入事例での訴求内容の整理、取材依頼の方法についてご紹介します。特に、この取材依頼の手順に沿ってすすめると、10社に取材依頼すると8社がご承諾いただけます。効率的な導入事例の作り方についてご紹介します。

お客様がバリュープロポジションを説明してくれる

導入事例の作り方についてご紹介する前に、改めて導入事例というフォーマットとその特性について考えてみましょう。前回の記事でも触れましたが、導入事例に必要な要素は以下の通りです。

導入事例に必要な要素導入事例では、取材に対応されたお客様が課題とその解決した方法、製品やサービスについてお客様の声として紹介されます。実際に抱えていた課題、課題解決のために収集した情報、製品やサービスの比較検討や選定時の評価ポイント、それらから購入の決め手が語られます。そして導入した後に、課題が解決できたのか、定量的、定性的な効果についても述べられます。さらに、誰が、どのように活用されているのかも含まれます。

同じことを自分たちがお客様に伝えてもあまり響きませんよね?ですが、どうでしょう?お客様の声として紹介することで、とても説得力がありますよね?課題解決の手段として、他社の製品やサービスも比較検討された結果、自社の製品やサービスが選ばれました。

導入事例は、お客様が求めていた「価値」と自社だけが提供できる「価値」が一致し「バリュープロポジション」をお客様の声で表現されます。これが、導入事例が「コンテンツの王様」と言える所以です。

バリュープロポジションは、貴社だけが提供できる価値

導入事例の取材先選定はお客様の属性と課題の掛け合わせでリストアップ

導入事例制作の進め方は、まず初めに「取材先の選定」からスタートします。どのお客様の導入事例を作りたいのか、それは何故か、検討しなければなりません。その理由が明確でないと、営業担当者へお客様の導入事例制作を打診しても断られてしまいます。

前回の記事でも、導入事例の制作軸は、お客様の属性と課題の掛け合わせで作っていきましょうとご紹介しました。皆様の会社が注力している製品やサービス、または、新規開拓したい領域のお客様の事例を優先して作るといったような考え方で、事前に営業関係者と導入事例の依頼先をリストアップし、作成計画を立てましょう。

導入事例の制作軸

導入事例の依頼先のリストアップの次には、個別の導入事例でどのような内容を盛り込むべきなのか、関係者で意識合わせしましょう。

  • お客様の会社名、プロフィール
  • ご出演いただく方の所属、役職、ご担当されている業務内容や役割・責任
  • お客様が抱えていた課題とそれをどのように解決されたのか?
  • お客様が課題に気づき、情報収集する過程でどのような情報を収集し、何が参考になったのか?
  • 他社製品も比較したのか、選定ポイントや購入の決め手は?
  • 何をどの程度、導入し、誰がどのようにつかっているのか?
  • 課題は解決できたか、定量的、定性的な効果はでているのか?

営業担当やお客様へ製品やサービスを納めた関係者、カスタマーサービスやカスタマーサポートの関係者と一緒に情報を整理してみましょう。

導入事例の企画制作にあたり要件を検討するため、社内関係者と確認したりすり合わせたりするための確認事項をまとめたGoogle ドキュメントのリンクを貼っておきます。確認項目だけではなく、記入例も記載しておきます。

このシートに関係者で情報を集約してみると、案外知らないこと、把握していないことが多いことに気がつくと思います。社内関係者での意識合わせで不明な点は、取材時にお伺いしてみましょう!

お客様の事例の要素が整理できたら、導入事例の演出について検討しましょう。前回の記事でもご紹介しましたが、どのようなお客様がどのように使っているのか「ぱっと見」でわかるようにすることがとても大切です。

そのためにも、メインキャッチの写真はどのような写真にしたらよいのか、お客様のWebサイトや会社案内、採用情報ページを見ながら、関係者で詰めていきましょう。

K017-006-the-key-visual-of-case-studies事前に関係者で、ここまで意識合わせできると、制作すべき導入事例についてかなり明確になりますし、最終成果物のイメージもつきやすいと思います。

導入事例の取材依頼書と取材依頼アポで8割のお客様が取材承諾してくれます

制作したい導入事例が明確になったら次は取材の依頼です。導入事例って、お願いしても断れるのではないか、値引きの条件にされるのではないか、といった懸念をよく聞きます。

商談時の交渉材料として導入事例へのご出演を依頼するというケースは多いと思います。しかし、商談時にそのような交渉をしなくとも、導入後しばらく経った後に、導入事例の取材を打診すると8割のお客様が承諾してただけます。

導入事例の出演を依頼する場合、正式な取材の依頼が重要です。口頭でお客様へ導入事例にでていたけませんか?と依頼しても、相談された方にしてみれば、取材対応したいけれども会社として許可がおりるのかしら?と不安になります。

お客様のご担当者さまとしては協力したいけど、上司に相談したり広報へ確認したりという手間を思い浮かべると、尻込みしてしましますよね。

そこで、依頼された方が、導入事例の取材依頼を上司や広報部門へ共有しやすくするために、「導入事例の取材依頼書」を作成してメールでお送りましょう。

取材依頼書を受け取った方は、そのメールを上司に転送して「このような相談がきているけども対応しても問題ないか」確認します。メールを受け取った、上司も上長へ共有したり、広報へ展開しやすいですね。

また、依頼書を送るのみならず「取材のお願い」のアポイントの日程案も一緒にメールに記載しましょう。そうすることで、取材依頼の面談後に取材対応の可否を判断しやすくなります。

導入事例の依頼状サンプル

取材依頼の面談では、導入事例の取材依頼書の内容にそって、依頼内容を説明しましょう。また、これまで制作してきた導入事例をサンプルとしてご紹介します。

さらに、導入事例制作の流れと、お客様にお願いしたいことをお伝えすることで、お客様も導入事例の取材対応に関する工数を想定できます。

お客様視点では、導入事例取材に対応することで無料で自社をPRできるので導入事例取材に対応しない理由はありません。このように依頼することで、導入事例への出演をご承諾いただけます。

導入事例の取材依頼の進め方。取材依頼書と取材依頼アポで8割のお客様がOK

取材依頼のミーティングでは、導入事例の制作過程においてお客様に何をご担当いただくのか、ご説明することも大切です。

導入事例の制作過程でお客様にご協力いただくこと

これらの内容を把握することで、お客様のカスタマージャーニーや購買プロセスにおける情報ニーズが明確になってきます。

このタイミングで質問表もお送りしましょう。質問事項を予めお送りしておくと、お客様は事前に回答を準備できます。また、その後の取材がスムーズに進みます。導入事例の質問事項(サンプル)のGoogleドキュメントをご活用ください。

質問事項では、実際に質問はしますが、文面には記載しない内容も含まれています。お客様が課題に気がつき、解決策について情報収集した過程で、どのようなメディアで、どんな情報を収集したのか。参考になった情報や選定ポイントや比較検討の対象について自然にお伺いできます。

導入事例の取材時の質問でお客様の購買プロセスと情報ニーズを明らかにできます。ここで得られる情報は、マーケティング施策を検討する上で不可欠な情報です。

取材がおわったら、内容の構成に進みます。導入事例のページ構成は、どのようなお客様が、どのような課題を抱えていて、それをどのように解決したのか、選定のポイントと決めて、どのように使っているのか、が不可欠です。

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アバー様の導入事例PDFはここからダウンロードできます。

取材時にヒアリングした内容をベースに、PowerPointのスライドにそれらの要素をまとめてみましょう。実際にGAXの導入事例で利用している導入事例フォーマットは、ここからダウンロードできます

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このようなPowerPoint スライドで、社内の関係者と記載する内容や表現について意識合わせした後にデザインとDTP工程を経て、お客様への確認原稿を作成しましょう。アバー様の導入事例原稿(PowerPointスライド)をダウンロードできます)

この後は、お客様に原稿をお送りし、ご確認結果やフィードバック内容を反映することで制作を進めていきます。導入事例の制作の進め方についてご理解できましたら幸いです。GAXでは、導入事例の制作について、内製化のご支援や制作を受託しています。

GAXによる「導入事例」支援の導入事例

法人向けのシステムソリューションを提供しているパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社様(以下、PSTC)。もともとPSTCさまでは導入事例の制作に取り組まれていましたが、さらなる改善のための知識・ノウハウが不足しているという課題感から、今回ご相談いただきました。

そして2019年7月より、導入事例制作研修・ワークショップ、導入事例制作の伴走支援のお取り組みがスタート。

そこで今回、同社にてマーケティングをご担当されている高瀬雅利さま、下村美貴さま、そしてブイキューブにて新しく立ち上がったBtoBマーケティング総合支援事業『GAX』の責任者である佐藤岳(さとうがく)が、これまでの取り組みについて振り返りました。

詳しくは、リード数は1.5倍へと成長。お客様、営業担当からも喜ばれる「導入事例」はいかにして生まれたのか?をご覧ください。

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佐藤 岳

2000年より事業会社とサービス提供会社で営業、マーケティング担当者としBtoBマーケティングに従事し実績多数。2015年11⽉株式会社ブイキューブ⼊社。2016年4⽉〜2020年12月までマーケティング本部長として商談案件の創出を担当。コンテンツの企画制作、広告運⽤、アナリティクスを完全内製化し商談の創出、受注に貢献。得られた知⾒やノウハウ・ドゥハウを提供するBtoBマーケティング総合⽀援サービスGAX(ガックス)を2020年1⽉より提供開始。