2021.07.27
80本実施してわかった「タイアップ記事広告」で成果を上げる5つのポイント
- BtoBマーケティング

こんにちは、東証1部上場企業のブイキューブで、BtoBマーケティング支援サービス『GAX』責任者を務めている佐藤岳です。
2016年当時、ブイキューブでは運用型広告のランディングページを30件ほど作成し、検索広告やディスプレイ広告で誘導していました。様々な運用改善を地道に行い、当時考えられる手法や改善施策はほとんど程度やり尽くしました。しかし、運用型広告の獲得単価(CPA)はある程度のところまで下げ止まったのです。
お客様との出会う「きっかけをつくる」ために、2017年1月から、お客様事例をご紹介するメディア企業とのタイアップ記事広告を開始し、2021年1月時点で80本のコンテンツを公開しました。
「タイアップ記事広告は効果がでるのか?」というご質問をいただきますが、「圧倒的に効果が高いです」とお答えしています。
この記事では、運用型広告とタイアップ広告の違いや、効果を出すために必要なポイントをご紹介します。
12/8(水)12時〜13時にこの記事のウェビナーを開催します。詳細は申込ページをご覧ください。
運用型広告について、検索広告やディスプレイ広告など
運用型広告の特徴
見込客を創出するためのマーケティング施策のうち、情報収集活動を行っているオーディエンスとの接点を持ちやすい、検索広告やディスプレイ広告などの運用型広告に取り組まれる企業が多いと思います。運用型広告は、広告施策の反応を即座に確認できるため、継続的な運用を改善することで成果を高められる特徴があります。
運用型広告の課題
見込客の獲得コストを下げるための運用を改善しても、期待するほどの見込客を獲得できない。見込客を獲得できても、案件に繋がらない、案件化しても受注できなといった課題を抱えている方が少なくありません。
成果が出にくい背景の一つに、運用型広告で接点を持ちやすい「情報収集」活動を行っているオーディエンスは、自社のみならず他社の情報も一緒に収集し比較検討しているため、他社との競争に巻き込まれてしまいます。また、見込客獲得数を増やそうとすると広告費が増大してしまう課題もあります。
お客様の潜在課題を顕在化し、導入検討していただくために
オーディエンスの潜在的な課題を顕在化させ、その課題解決として自社の製品やサービスを紹介する。その際に、製品やサービスの特徴を強調するのではなく、それらを利用されている「お客様の声」を導入事例として紹介することで、同じような課題を抱えているお客様の興味関心を醸成できます。
このような考え方で、広告コミュニケーションを行うと、オーディエンスの潜在課題が健在化し、解決策が導入事例をベースに紹介されており、それに関連する情報を提示することで、興味関心を持ったお客様は自社に対する強い興味を醸成できます。
この時に、興味関心を持ったお客様へ「おすすめの関連情報」を紹介すると、オーディエンスは自らそれらのコンテンツへアクセスし、課題解決にむけた必要な事柄を学習します。
お取引したいお客様と「どこで出会えるか?」
BtoB企業の営業やマーケターの方が、お取引したいお客様と「どこで出会えるか?」これはマーケティング施策を検討する上で最も重要なポイントです。私は、みなさまが出会いたい「ペルソナ」が日頃、接触しているメディア(媒体)に、広告を出稿することで出会えると考えます。
タイアップ記事広告を実施する意義や意味について
メディアは、何らかの特定のテーマやトピックを扱っています。読者は、そのメディアが扱っている、テーマやトピックに関する最新情報、ニュースや解説記事、コラムなどを読むために接触しています。
そこで、自分たちがお取引したいお客様が、日頃、接触しているメディアで扱っているテーマやトピックスと自分たちが伝えたい内容が読者の興味関心に合致しているようであれば、そこに、メディアで掲載されている内容と同様に体裁でコンテンツを掲載する=タイアップ記事広告を出稿すれば、読者はメディアの編集記事を読んでいるのと同じ体験でタイアップ記事広告を読んでもらえます。
タイアップ記事広告でも編集記事でも、読者にとててはメディアで接触するコンテンツの一つです。よって、タイアップ記事広告であったとしても、読者にとって自然なメディア接触の体験を重視することが不可欠です。
タイアップ記事広告で成果を出すための5つのポイント
ブイキューブで80本実施してわかった、タイアップ記事広告で成果を上げるための5つのポイントをご紹介します。
【1】 掲載内容はお客様事例インタビュー
タイアップ記事広告では、お客様事例インタビューを掲載することをお勧めします。マーケティング活動で一般的に伝えることは、課題→解決→製品・サービスの紹介→導入実績・導入事例→関連情報だと思います。
お客様事例インタビューには、お客様のプロフィール、抱えていた課題、解決の取り組みとしての製品やサービスの導入、その活用方法、導入後の効果、今後の期待がふくまれています。
まさに、マーケティング活動で伝えたい内容をほとんど含んでいます。それらを「お客様の声」として、メディアが取材しています。
この事例を読む読者は、この事例の内容に少なからず興味を持っているわけですから、このコンテンツに接触した時点で、興味関心があるオーディエンスの集客に成功しています。
その人たちに「お客様の声」を通じて自社の製品サービスを紹介してもらえます。
例えば、こちらは、DeNA様における「会議室が足りない問題」。従業員の方が働きやすい環境を整備されている総務部門の皆様へ、1 on 1 ミーティングが増えたことにより80〜90もある、会議室が足りなくなった、という切実なお悩みに、テレキューブがお役にたたっというケースの事例インタビューです。
DeNA様と同様の課題をお持ちのお客様からからこの記事広告がきっかけで同じ様に導入されたケースが少なからずあります。
【2】編集記事と同じページレイアウトに
メディアでコンテンツを読んでいる読者は、そのメディアが扱っているテーマやトピックスに関連した情報を収集する目的で来訪しています。
目に入る広告もまた、読者にとってはコンテンツの一つです。タイアップ記事広告への誘導広告も、また、読者にとってはコンテンツの一つです。
タイアップ記事広告の誘導リンクをクリックし、タイアップ記事広告へ訪問した際に、そのページのレイアウトが編集記事と大きく異なっていたら、読者にとっては「あっ、広告なんだ」という印象を与えてしまいます。
もちろん、何らかの認知形成を目的に「広告っぽさ」を演出するケースもあります。
BtoB企業が見込客を創出する目的でのタイアップ記事広告であれば、なるべく、編集記事と同じ閲読体験を提供することが、大切だと考えます。
編集記事とタイアップ記事広告のページのスクリーンショット
編集記事とタイアップ記事広告のスクリーンショットを並べてみても、ほとんど違いを感じませんね。編集記事のページは、タイトル、本文、右サイドのリンク集で構成されています。そこで、記事広告でも同じ要素でページを構成することで、編集記事と記事広告の購読体験を統一化しています。
記事広告をご覧になった方から、あれは、広告だったのか、と驚きの感想をいただくことは少なくありません。
編集記事と記事広告で同様のレイアウトに
【3】20件以上の関連リンクを設置
これまでの2つのポイントで、編集記事と同じページレイアウトで、お客様事例インタビューを紹介しているタイアップ記事広告をご提案しました。
どうでしょう?「編集記事と同じページレイアウトのお客様事例インタビュー」、タイアップ記事広告というよりも編集記事と変わらないとおもいませんか?
改めて編集記事のページレイアウトを思い浮かべてみてください、または、日頃、ご覧になっているメディアの編集記事を確認してみてください。きっと、本文の文中や記事下、右サイドにいろいろなリンクが表示されているでしょう。
タイアップ記事広告のページは、広告主のためのページです。なので、このページで掲載するコンテンツも広告主の意図を反映できます。そこで、私は、タイアップ記事広告で掲載する「導入インタビュー」に関連したコンテンツを、編集記事と同じレイアウトで掲載することをお勧めします、
具体的には、導入事例インタビューのご出演企業様の導入事例ページ。ご出演いただいたお客様と同じ業種や業態のお客様事例へのリンク、ご出演いたいだたお客様が採用されている製品やサービスをご導入いたいだた、他のお客様の導入事例のリンク。
導入された製品やサービスのページや、ソリューションを紹介するページへのリンク。関連する「ブログ」記事へのリンクやEbookやカタログなどのダウンロードリンク、セミナー情報へのリンクなどです。
これらのリンクを、タイアップ記事広告の文中や本文下、本文右に掲載することで、記事を読んだ方へ追加の情報を提供できます。
- 熊本の地方銀行が行内に放送スタジオを立ち上げ 内製した動画を情報共有ツールとして活用したら何が起きた? - ITmedia NEWS
- 街を守る消防の最前線が“映像共有”でスマート化 「無線だけでは伝わりにくい情報を瞬時に共有できる」 - ITmedia NEWS
ブイキューブの記事広告の場合、記事広告を関連リンクのクリック率は、平均20%。この数値は、記事広告全体のクリック率10%に対して2倍の効果が出ています。しかも、クリックされている方は、記事広告を読んだ上で、関連リンクをクリックされています。内容を理解し、さらに情報を求めて来訪されているため、その訪問セッションの価値はとても高いでしょう。
BtoB企業のバイヤーは自ら学習する(Self-Educating Buyer)と言われています。自ら学んでもらうための教材へのリンクを貼っておくことで、より製品やサービスへの理解をふかめるためのバイヤージャーニー(カスタマージャーニー)を進んでいきます。
【4】成果をあげる本数は3本以上
検索エンジンのGoogleは、情報を探しているユーザーにとって最高な体験を提供するための準備をしています。
検索ユーザーの検索意図を把握し、そのユーザーにとって役に立つ情報を提供するために努力しています。
Googleがインデックスするページは、特定のテーマやトピックに関して専門性があるのか、正しいと思われる情報を公開しているのか、ユーザーの文脈にそった情報を網羅的、構造的に公開しているか、ページのユーザビリティは高いのか、表示スピードは遅くないのか、ドメインの信頼性は?などの項目で評価していると言われています。
詳しくは、Google 検索の仕組みをご覧ください。
タイアップ記事広告は、メディアのドメイン配下で公開されるので、メディアのドメインパワーの恩恵を受けられます。
また、そのメディアが扱っているテーマやトピックに関連する情報を複数掲載し、それらをそう5個リンクすることで、ユーザーの文脈に沿った情報を構造的、網羅的に公開していると評価してもらえます。
メディアのページレイアウトは、オーディエンスのユーザビリティを高めるために設計されています。
そのような前提から、タイアップ記事広告を実施する時は1本だけをスポットで掲載するのではなく、最低でも3本の記事を公開し相互リンクすることで、Googleにインデックスされます。
その結果、タイアップ記事広告へオーガニック検索での流入も期待できます。実際、ブイキューブで実施してきたタイアップ記事広告の流入経路の26%は、オーガニック流入経由です。
タイアップ記事広告への誘導が止まっても、継続的にユーザーに見つけていただけ、自社のコンテンツに触れていただき、自社のWebサイトへの流入が期待できます。
これらのことから、タイアップ記事広告を実施することは、コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングを実践できますし、その恩恵を受けられます。
例えば、GAXのクライアントである、アバー・インフォメーション株式会社様は、3本のタイアップ記事広告を掲載し「売上は前年比7倍に成長しました」。
アバー・インフォメーション株式会社様の導入事例PDFはこちらからダウンロードできます。
【5】 直接効果・間接効果を測定する
タイアップ記事広告を実施して終わりではなく、きちんと効果を測定することが不可欠です。以下のようなポイントで効果を測定しましょう。
どの程度見られているのか?
→タイアップ記事広告のPV数、セッション数、UU数、平均滞在時間
関連リンクはクリックされているか?
→リンクのクリック数、クリック率。
クリックされているコンテンツの傾向
コンバージョンしているか?
→タイアップ記事広告をご覧になった方からコンバージョンしているか?
直接的、間接的にコンバージョンへ貢献しているのか?
案件化しているのか、受注につながっているのか??
→タイアップ広告をご覧になった方は、案件化しているのか、受注に繋がっているのか?案件数、案件化率、見積金額、受注件数、受注金額、受注率。
投資対効果:見積金額➗出稿金額
記事広告のお客様事例と同じことをやりたい!問い合わせが発生
タイアップ記事広告を導入事例と連動して実施すると、同じ課題をお持ちの企業から同じ製品・サービスを導入したいというお問い合わせをいただき、受注に繋がります。実際に他の業種においても、下記の通り導入事例コンテンツからのお問い合わせをいただいております。
- DeNA様の事例インタビュー
「8年前には想定してなかった」 新たな会議のやり方に直面したDeNAが“移動できる会議室”を導入したら - ITmedia NEWS - 日本航空様の事例インタビュー
JALの整備士がコミュニケーション基盤を刷新した理由 - ITmedia NEWS - SOELU様の事例インタビュー
双方向映像で遠隔レッスン 人気のオンラインヨガ「SOELU」を実現したシステム基盤とは? - ITmedia NEWS - システージ様の事例インタビュー
オフィスは「PC画面の中」!? Web会議の一歩先、広がる「空間共有」のいま - ITmedia NEWS
まとめ
運用型広告は「いま」情報収集しているオーディエンスとの接点を持つための手法としては有益だと考えます。その一方で、運用方針にもよりますが、オーディエンスは他社の情報も収集し、比較しているため、見込客を低コストで獲得できても案件や受注につながりにくいといった課題があります。
自社の製品・サービスの需要を創造し、自社の製品やサービスを検討していただいているお客様を生み出すための手法として、私はタイアップ記事広告をお勧めします。
タイアップ記事広告の内容は、お客様事例インタビューとし、ページレイアウトは編集記事と揃える、関連リンクを多く設置する、ことでお客様が自ずから学習し興味関心をたかめていただいた上でお問い合わせしていただける可能性が高まります。ブイキューブでも実感しています。
最後に、タイアップ記事広告を実施するにしても、その誘導先の受け皿としてのコンテンツが準備できていないと、タイアップ記事広告の成果は生まれません。
記事広告で紹介している製品やサービスの他のお客様事例、導入方法や解説資料のリンク、無料相談やセミナー開催情報、ブログ記事も受け皿のコンテンツとして有効です。
そしてタイアップ記事広告だけではなく、お問い合わせへの対応、営業活動、そして受注後に至るまで、一貫してお客様のフォローアップができる体制を整えて運用することが重要です。
GAXは、タイアップ記事広告の出稿についてもご支援しています。試しにやってみたい、現在の取り組みの効果を改善したい、といったお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
佐藤 岳
2000年より事業会社とサービス提供会社で営業、マーケティング担当者としBtoBマーケティングに従事し実績多数。2015年11⽉株式会社ブイキューブ⼊社。2016年4⽉〜2020年12月までマーケティング本部長として商談案件の創出を担当。コンテンツの企画制作、広告運⽤、アナリティクスを完全内製化し商談の創出、受注に貢献。得られた知⾒やノウハウ・ドゥハウを提供するBtoBマーケティング総合⽀援サービスGAX(ガックス)を2020年1⽉より提供開始。