2021.10.11

営業部門とマーケティング部門の連携をうまく進めるためにはどうすればいいですか?

  • BtoBマーケティング
営業部門とマーケティング部門の連携をうまく進めるためにはどうすればいいですか?

BtoBマーケティングに従事されている方のお悩みや疑問に、一問一答形式でお答えしていく『BtoBマーケターのためのお悩み相談室』。

20年以上BtoBマーケティングに携わり、様々な企業の事業成長をサポートしてきたBtoBマーケティング支援事業『GAX』代表取締役の佐藤岳が回答いたします。

Q. 営業部門とマーケティング部門の連携をうまく進めるためにはどうすればいいですか?

マーケティング部が創出した見込み客を営業に提供しても、後回しにされてしまいます。営業がアプローチした結果も教えてもらえません。なので、効果測定ができずに困っています。どうしたら営業と上手く連携ができますか?

A. 組織横断での取り組みのためには目線合わせが大切であり、そのためにはBtoBマーケティングにおいてすべてのスタート地点となる「顧客理解」を関係者全員で進めていくことが重要です。

“営業の教科書 「営業とマーケティングの壁を壊す」” というハーバードビジネスレビューの論文でも述べられていますが、営業部門とマーケティング部門の対立というのは、BtoBマーケティングを行う企業ではあるあるの課題ですよね。
私がブイキューブのマーケティング本部長に就任した際も、同様の課題を抱えていました。

2015年11月 ブイキューブ入社当時の営業とマーケティングの状況

なぜ、営業部門はマーケティング部門の見込み客を後回しにしてしまうのでしょうか?

営業パーソンの視点では、いかに自分の勤務時間内で、ノルマの達成に向けた効率的な営業活動ができるだろうか、どのお客様へどのように提案したら効率的に受注できるだろうか、ということに主眼を置いています。

そのため、マーケティングから提供された見込客へのフォローを依頼されても、営業パーソンにとってはそのお客様の導入検討の状況や確度が不明確だと、効率的な受注につながるか不安になったり、ノルマを達成できない懸念があるため、どうしてもフォローが後回しになってしまうのです。

しかし、企業活動を効率的に推し進めるために各部門が存在しているわけですから、お互いの業務上の役割と責任や業務内容を理解し合うことが大切です。そこで私が実際にコンサルティングさせていただく際には、まず営業部門とマーケティング部門が一緒になり、顧客理解のためのワークショップを開催しています。

ワークショップで「お客様はなぜ自社の製品・サービスを購入するのか」という質問をすると、実は明確に答えられないケースというのは珍しくありません。そのためワークショップでは、まず自身の購買行動を振り返ることで、お客様の購買行動を理解するところから行います。

その上で、ペルソナ・カスタマージャーニーを営業部門とマーケティング部門が一緒になってつくり、共通の顧客理解を得られるよう進めていきます。

ブイキューブでの組織立て直しの際に行った、組織横断での顧客理解については下記記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:なぜ営業はマーケのリードを後回しにするのか。組織横断での「顧客理解」が大切な理由

なお、このようなワークショップを開催しなくても、組織横断での顧客理解を進められる方法があります。それはお客様事例コンテンツをつくることです。

お客様事例制作のためのインタビューにて、「そもそもお客様はどういった課題を持っていたのか」「自社製品・サービス選定ポイントや購入の決め手はなんだったのか」といったことを伺うと、マーケティング部門だけでなく営業部門にとっても「知らなかった」というお話がたくさん出てきます。

つまり、自分たちではわかっていなかった自社製品・サービスのバリュープロポジション、すなわち独自の価値をお客様が教えてくださるんですね。

そしてお客様事例制作を通じて、営業部門とマーケティング部門は共通の顧客理解を得ることができ、「こういった情報発信が必要そうだ」「こういったセミナーを開催すべき」などと、営業部門とマーケティング部門がどういった連携をすべきかが見えてくるようになります。

結果、受注に繋がるリード創出の企画立案ができるようになり、マーケティング部門のリードが営業部門からも喜ばれ、健全な組織連携を図っていくことが可能になるのです。導入事例制作のポイントについては、下記コンテンツもぜひ参考にしてみてください。

参考:導入事例は「コンテンツの王様」!お客様が読みたい導入事例とは?

関連:同じように「お客さん」という言葉を使っても、なぜマーケと営業の間ではズレるのか?〜マーケと営業の溝に潜む「お客さん」の違いを理解する〜 |高広伯彦のmediologic: note支店|note

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次回の記事も楽しみにしてください。

 

佐藤 岳

2000年より事業会社とサービス提供会社で営業、マーケティング担当者としBtoBマーケティングに従事し実績多数。2015年11⽉株式会社ブイキューブ⼊社。2016年4⽉〜2020年12月までマーケティング本部長として商談案件の創出を担当。コンテンツの企画制作、広告運⽤、アナリティクスを完全内製化し商談の創出、受注に貢献。得られた知⾒やノウハウ・ドゥハウを提供するBtoBマーケティング総合⽀援サービスGAX(ガックス)を2020年1⽉より提供開始。